若年性のうつ病と老齢性のうつ病
うつ病というのはどの年代で発症するのかで違いがあります。例えば若年性のうつ病。これは思春期に発症するうつ病で、反抗期とも大きく関係してきます。また、老齢性のうつ病というのは女性なら主に更年期をきっかけに発症する事が多く、男性なら会社を退職する位の時期に発症することが多くなります。
ではどのような違いがあるのでしょうか?
まずは若年性のうつ病です。これは先に述べたように思春期、反抗期と大きく関係があります。この時期というのは親から学んだ様々な価値観や物事の基準を基本として、それを確かめながら「自分の自我」を作る時期でもあります。この時期に、もし基本となる「親から学んだ基準」がなければどうなるでしょうか。そう、確かめるものがない上に、基準がないことで自分自身の自我を作ることさえできなくなってしまいます。その上、親からの感情や行動の抑圧を受けて育った子供は自分の考えや価値観を作ることも、表現することもできずに絶えず「自分ってなに?」といった漠然とした不安にさらされ続ける事になるのです。それが若年性のうつ病を発症する原因になることが多いように感じます。
次に老齢性のうつ病ですが、これは男性と女性とでは発症原因が若干違いますが、一つはっきりと言える事は「目標を失うことで、自分の価値をも見失う」ことで発症することが多いように思います。例えば先にあげた「退職」がきっかけで、それまでは仕事という目標、収入であったり、家族の為であったりといったものがなくなることで、まるで心に穴があいたような空虚感に襲われることがきっかけだったりします。
これらの2つのうつ病に共通することは「漠然とした不安がある」ということと「自分の価値がわからなくなる」ということでしょうか。このように、うつ病一つとっても、発症時期一つとってもきっかけや原因が違ってきます。それを理解した上で周りが接してあげることで、本人の苦しみも柔くことがあるのです。
もし万が一、自分の周りにこのような「人生の転機」を迎えた人がいるならば、それが家族であったならなおさらのこと、注意して見守ってあげましょう。
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