カサンドラ症候群

カサンドラ症候群とはカサンドラ情動剥奪障害(カサンドラじょうどうはくだつしょうがい)とも言い、アスペルガー症候群の夫または妻もしくはパートナーと情緒的な相互関係が築けないために配偶者やパートナーに生じる身体的・精神的症状を表す言葉です。

アスペルガー症候群の伴侶を持った配偶者は、コミュニケーションがうまく取れず、その苦しさそのものさえ理解されずに自信を失ってしまうことがあります。そして、世間的には問題なく見えるアスペルガー症候群の伴侶への不満を口にしても人々から信じてもらえない。その葛藤や苦しみから、精神的・身体的苦痛が生じることがあります。

症状としては偏頭や体重の増加または減少・自己評価の低下があげられ、そのほかにもパニック障害や抑うつ気分・無気力や罪悪感などがあります。近年になり、大人の発達障害が注目を集める中、このような「カサンドラ症候群」の悩みを訴える人も多く、アスペルガー症候群の伴侶を持つ者の二次障害として深刻な問題となっており、 家族に対するケアの重要性が指摘されています。

では、どのようなケアが必要なのでしょうか。それは次のような感情や症状に対してどのように理解し、自分の気持と向き合うかという方法を考えていくことにあります。

1.人に対して不信感や被害感をもってしまい攻撃的になる自分
2.受け入れられない自分が悪いという罪悪感を持つ自分
3.相手に受け入れられない虚しさや、相手とのコミュニケーションがうまくいかないのに助けを求められずにいる自分
4.自分の感情すら表現できない、わからない自分や、感情がうまくコントロールできない自分
5.配偶者に現実的でない期待を抱いてしまい、うまくいかないことに自己嫌悪する自分

そして、アスペルガー症候群という障害を理解し、その状態に置かれているパートナーに対してのかかわり方を自分なりに考えるということも必要になってきます。先にあげた1~5の状態に少しでも当てはまるというのであれば、今の苦しさを理解してくれる人が必要だともいえます。それが周りにいないというならば、自分が自分とどう向き合い、相手を理解すればよいのかわからないというならば、専門家を頼るということも必要でしょう。

何より大切なのは、このようなカサンドラ症候群の症状にもあるように「自分自身が疲れ果ててしまわないようにすること」だと思います。

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